消化器内科について

消化器内科イメージ

食べ物を口に入れ、咀嚼してから飲み込むと、それは食道を通って胃に送られます。その後、主に小腸で栄養分などを吸収し、大腸でさらに水分などを取り除き、食べ物の残渣や腸内細胞、腸内細菌、食物繊維などは便となって肛門から排泄されます。この消化の過程では、肝臓や胆嚢、膵臓も重要な役割を果たしています。

消化器内科は、これらの各器官・臓器に生じた疾患を中心として、内科的な治療を行う専門診療科です。胃や大腸、肝臓などの臓器ごとに多くの疾患があり、なかには命に関わるケースもあります。手遅れにならないよう、消化器内科医のもとで検査を受け、疾患ごとに適切な治療を行っていくことが大切です。

当院の消化器内科の特徴

病診連携で患者さまの診療を行います

当院の院長は、これまで東京大学医学部付属病院の消化器内科にてほぼ20年、基礎研究や学生・研修医の教育、そして診療を行なってきました。東大病院では肝臓を中心とした疾患を担当しておりますが、そのほかにも旭中央病院・亀田総合病院・朝日生命成人病研究所・河北ファミリークリニックなど、様々な医療機関にて各種消化器内科疾患を診療してまいりました。現在も週に1回金曜日に東大病院にて外来診療をしています。 当院の消化器内科では、患者さまの症状を見極め、必要な検査をおこない、治療につなげています。さらに、高度な医療が必要な場合には、専門病院をご紹介し、患者さまにとってふさわしい医療機関と連携して診療にあたっていきます。

一貫性のある診療を受けていただけます

当院の院長は、東大病院と朝日生命成人病研究所の外来を継続しながら、このクリニックにて外来をおこなっていきます。当院では皆様のかかかりつけ医として診療に当たります。そして必要があれば、そのまますぐに東大病院などの私の外来にて診療を継続いたします。クリニックと同じ医師ですから、一貫性のある診療を受けていただけます。

定期的な検査を行います

消化器の各臓器には癌が生じることがあります。腹部超音波検査、胃カメラ、大腸カメラではそれらの癌を早期発見することができます。肝臓、膵臓、胆嚢、胃、大腸などに所見があり定期的な観察が望ましい患者さまには定期的な検査を行ないます。

腫瘍マーカーなど、採血で調べられる検査では癌がある程度大きくならないとわかりません。腫瘍マーカーが上昇しない癌のこともあります。PET-CT検査を健康診断で受けておられる方もいらっしゃいますが、必ずしも全ての癌が見つかるわけではありません。肝細胞癌、膵癌、腎癌、膀胱癌、前立腺癌などの検出はPET-CTは苦手です。

腹部超音波検査は肝細胞癌、胆管癌、胆嚢癌、膵臓癌、腎癌、膀胱癌の早期発見には非常に有効で、放射線被曝もなく、経済的にも優れています。ただ、腹部超音波検査では膵臓や胆管が見えにくいときがあり、そのような場合にはMRIやCTを追加します。
胃癌の早期発見には胃カメラ、大腸癌の早期発見には大腸カメラが極めて有用です。当院で検査の説明と同意書の取得を行い、連携施設であるお茶の水駿河台クリニック(内視鏡検査および画像診断の専門施設)および朝日生命成人病研究所(内科疾患診療の総合施設)にて内視鏡検査のみ受けていただけます。結果は当院で説明いたします。

定期的に各臓器の検査を受けていただき、何か変化があったときには迅速に対応いたします。

このような症状の方は
ご相談ください

  • お腹の調子が悪い状態が続いている
  • 胃のあたりが痛い
  • 痛みが引いても、しばらくして痛みがぶり返してくる
  • 胃がもたれる
  • 吐き気をもよおす
  • 胸やけがする
  • 食後に背中が痛くなる
  • 便秘がちだ
  • 下痢を繰り返す
  • 血便が出た
  • 眼球の白目が黄色くなった
  • 食欲がない
  • 体重が急激に減少した
  • 顔色が悪いと言われる

消化器内科で扱う主な疾患

逆流性食道炎

逆流性食道炎は、胃液や胃内で消化途中の食物が食道に逆流してしまい、食道が炎症を起こしてしまう病気です。食道がんのリスクが高まるとも言われます。胃から食道への逆流を防ぐ仕組みがうまく働かなくなったり、胃酸の分泌が増え過ぎたりして、胃の内容物が食道に逆流することが主な原因です。
逆流性食道炎になると、胸やけをはじめ、酸っぱい液体が口まで上がってくる、胸が締め付けられるような痛み、せき、ゲップなど、様々な症状が起こります。放置していると、食道がんのリスクが高まるともいわれているので、お早めに検査を受け、主にお薬を使った治療を受けるようにしてください。

胃・十二指腸潰瘍

胃・十二指腸潰瘍は、胃や十二指腸の粘膜のコーティングが壊れて傷つき、えぐられたようになる病気であり、日本人には非常に多くみられます。主な原因は、ピロリ菌の感染、痛み止めのお薬、胃酸などです。この病気になると、みぞおちの痛み、胸やけ、お腹の張り、吐き気、嘔吐などが強まります。患者さまによっては、嘔吐したものに血が混じっていたり、便が黒くなったりします。治療に関していうと、重症例では緊急手術が必要になることもありますが、大抵はお薬によって痛みなどの症状が治まります。ピロリ菌に感染している場合は、お薬によってピロリ菌を退治します。

慢性胃炎

慢性胃炎の多くはピロリ菌の持続感染が原因です。放置しておくと、胃がんのリスクが高まることが知られています。胃カメラやバリウム検査で慢性胃炎が疑われた時には、ピロリ菌の感染の有無を検査し、もしピロリ菌が感染していた場合には治療することが大切です。1週間の内服治療で多くの場合はピロリ菌を退治することができます。健康診断で慢性胃炎(萎縮性胃炎とも言います)が指摘された際にはぜひご相談ください。

胃がん

胃がんは、胃の壁の最も内側にある粘膜内の細胞が、何らかの原因でがん細胞に変化する病気です。日本人には非常に多くみられます。胃がんが疑われるときは、当院と提携している専門病院をご紹介し、必要に応じて手術や化学療法などを行います。その後の定期的なチェックについては、当院で対応させていただきます。

大腸ポリープ

大腸ポリープは、大腸粘膜の一部が隆起した病変です。大きさは数ミリ~3センチ程度で、組織タイプの違いから腫瘍性と非腫瘍性に大別されます。腫瘍性ポリープは腺腫と呼ばれ、小さなうちはほとんどが良性です。しかし、大きくなるとともに部分的に小さながんが生じることが少なくありません。非腫瘍性ポリープには、小児に多い若年性ポリープ、高齢者に多い過形成性ポリープ、腸炎後にみられる炎症性ポリープなどがありますが、いずれも良性です。ただし、がん化する可能性がゼロではありません。40代以降では定期的に大腸カメラを受け、ポリープのうちに切除・治療を受けることが大切です。大腸カメラ検査をご希望の方には速やかに手配いたします。

大腸がん

大腸がんは、直腸やS状結腸などの粘膜から発生する悪性腫瘍です。大腸がんのリスクが高くなる年齢は50代からで、60~70代でピークに至ります。しかし、ほかのがんと同様に、大腸がんについても若年化が進んでおり、若いからまだ大丈夫といった油断は禁物です。なお、大腸がんが疑われるときは、当院と提携している専門病院をご紹介し、必要に応じて手術や化学療法などを行います。その後の定期的なチェックについては、当院で対応させていただきます。

脂肪肝

こちらをご覧ください。

アルコール性肝障害

こちらをご覧ください。

B型肝炎

こちらをご覧ください。

C型肝炎

こちらをご覧ください。

肝硬変

こちらをご覧ください。

胆嚢ポリープ

健康診断の腹部超音波検査で胆嚢ポリープを指摘されることがよくあります。胆嚢ポリープのほとんどはコレステロールポリープというもので良性です。ただ稀に初期の胆嚢がんであることがあり、定期的な腹部超音波検査が必要です。特に10mm以上の大きなもの、増大傾向のあるもの、幅が広い形のものについては胆嚢がんである可能性が否定できないため、造影CTやMRI、もしくはEUS(超音波内視鏡)で精査を行います。

胆嚢結石・急性胆嚢炎

胆嚢の中で澱んだ胆汁が石のような塊になりになったものを結石と言います。胆嚢結石が存在しても胆嚢の機能は問題ないことが多いのですが、結石が胆嚢の出口に詰まり胆汁の鬱滞と炎症を起こすと右上腹部を中心とした強い腹痛発作を起こします。これを急性胆嚢炎と言います。食後に起きることが多く、嘔気や発熱を伴うこともあります。迅速な治療が必要なケースも多く見られます。治療としては胆嚢摘出手術や胆嚢を穿刺して膿を排出したりします。腹部超音波検査ですぐに診断ができますので、このような症状が現れた時にはご相談ください。

膵嚢胞・膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN)

健康診断の腹部超音波検査で膵嚢胞が疑われることがよくあります。嚢胞とは内部に液体を溜めた袋状のものを指します。膵臓の嚢胞性病変で最も頻度が高いものが膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN)です。IPMNは膵管に発生し、主膵管にできる主膵管型と分枝膵管にできる分枝型に分けられます。主膵管型IPMNは癌化しやすいことが知られており、手術を検討する必要があります。分枝型IPMNがある場合、IPMN自体が大きくなり癌化するケースもありますが、IPMNに変化がないのに突然他の部位に膵癌ができるケースもあります。決してその確率は高くないので過度に恐れる必要はありませんが、年に1−2回は経過観察としてMRIや腹部超音波検査を受けることが大切です。いつでもご相談ください。

急性膵炎

急性膵炎は、上腹部の急性腹痛発作や背中の痛みが現れ、吐き気や嘔吐、発熱を伴うこともある病気です。急性膵炎の2大原因はアルコールと胆石です。重症例では呼吸困難、意識障害などもみられます。軽症や中等症の場合は内科的治療で治癒しますが、重症の急性膵炎では死亡リスクもあるので、専門の医療機関をご紹介いたします。