高尿酸血症とは
高尿酸血症は、血液に含まれている尿酸の濃度が慢性的に高くなる病気です。血液検査によって尿酸値が7㎎/dl以上になると、高尿酸血症と診断されます。この段階では自覚症状がないことが多いのですが、放置していると痛風や尿路結石といった激痛を伴う病気になりやすくなります。
痛風とは
人間の体温は全身にわたって同じではなく、胴体は37度であっても、例えば足先は温度が低くなっています。高尿酸血症の状態が長く続くと、足先の関節部などで尿酸が結晶化し沈着していきます。その尿酸結晶に対して白血球が活発化して炎症をきたすことを痛風発作と言います。ある日突然、足の親指の付け根などの関節が赤く腫れて痛み出します。耐えがたいほどの痛みのため、「風に吹かれただけでも痛い」という意味合いを込めて命名されました。
しっかり治療を受けることが大切です
痛風発作による痛みは数日から1週間前後続きます。痛みにより靴も履けないことも多く、片足だけ靴を履いて来院される方もいます。初回の発作は1つの関節のみで起こることがほとんどですが、高尿酸結晶を治療せずにいると、発作の頻度が増え、複数の関節が痛むようになります。痛みの持続期間も長くなっていきます。発作時の治療としては痛み止めと重症度に応じてステロイドを使用します。痛みが解消したあとは、尿酸を下げるお薬を継続して内服する必要があります。
食事なども見直しましょう
高尿酸血症の治療では、お薬だけでなく、食事の見直しや適度の運動も行います。具体的には、プリン体を多く含む食品の摂り過ぎに注意してください。豚肉や牛肉などのレバー類、白子、えび、いわし、かつおなどにはプリン体が多く含まれているので、ほどほどに控えることが重要です。ビールなどのアルコール飲料も、尿酸値を上げる作用があるため、飲みすぎないようにします。ご飯の食べ過ぎ(摂取カロリーオーバー)も、内臓脂肪の蓄積につながり、尿酸値を引き上げる要因となります。また、水分を十分に摂ることも大切です。尿の量が増えると、尿酸の排泄量が増加しますし、尿路結石の予防にもつながります。