睡眠時無呼吸症候群とは

睡眠時無呼吸症候群イメージ

睡眠時無呼吸症候群は、睡眠中に何度も呼吸が停止したり、浅くなったりして体が低酸素状態になる病気です。睡眠時無呼吸症候群に罹患していると、良質な睡眠が取れず、日中の活動性や労働能力が低下することはもちろん、高血圧や糖尿病、狭心症などの生活習慣病を合併し、生命予後に影響を与えることが明らかになっています。2003年に起きた山陽新幹線の事故で運転手が重度の睡眠時無呼吸症候群であったことが判明し、睡眠時無呼吸症候群の検査や治療の重要性が認識されてきています。

このような症状の方はご相談ください

  • 家族などから「いびきが大きい」と言われた
  • 「寝ているときに呼吸が止まっている」と言われた
  • 突然息が苦しくなり、夜中に目が覚めてしまうことがある
  • 夜間にトイレに行くことが多い
  • 目覚めが悪い
  • 起きたときに疲労感がある
  • 日中に強い眠気を感じる
  • 倦怠感がある
  • 集中力や記憶力が低下した

睡眠時無呼吸症候群のタイプ

睡眠時無呼吸症候群には、主に2つのタイプがあります。ひとつは、何らかの原因によって気道が閉塞してしまい、それによって無呼吸状態や低呼吸状態に陥ってしまう「閉塞性睡眠時無呼吸症候群」です。具体的には、肥満によって首回りに脂肪がついている、扁桃が肥大している、舌が大きい、下顎が小さすぎる、などが原因となります。睡眠時無呼吸症候群の患者さまの9割はこのタイプだと考えられています。治療としては、マスクから気道に陽圧をかけて軌道の閉塞を防ぐCPAP(持続用圧呼吸療法)やマウスピース(下顎を突き出すようなマウスピースを作ります)などがあります。

もうひとつは、脳から呼吸命令が出ないことで無呼吸状態になるタイプであり、「中枢性睡眠時無呼吸症候群」と呼ばれています。心不全をはじめとする心疾患、脳梗塞などの脳疾患によって引き起こされます。この場合、気道の閉塞はありません。治療に関していうと、原因となっている心不全や脳疾患などを治療することにより、睡眠中の無呼吸状態も改善します。

睡眠時無呼吸症候群の診断と治療

睡眠時無呼吸症候群が疑われる場合、まず簡易型PSG検査を行います。自宅に検査機器が郵送されてきますので、それを装着して一晩寝ていただきます。機器を返送すると、クリニックに結果の報告書が送られてきます。そこで、睡眠中1時間に息が止まる回数(AHI)が40以上の時に、重症の睡眠時無呼吸症候群と診断され標準的治療であるCPAP(持続用圧呼吸療法)の適応となります。AHIが20以上40未満の時には病院に入院して脳波も含めた精密検査を行いCPAPの適応かどうかを判断することになります。AHIが20未満のときはCPAPの適応となりませんのでマウスピースなどを検討します。

CPAP(経鼻的持続陽圧呼吸療法)とは就寝する際に専用の鼻マスクを装着し、睡眠中はマスクから気道に一定の圧力をかけるようにします。それによって閉塞していた気道は押し広げられ、睡眠中の無呼吸状態は解消されます。いびきなども抑えられ、すっきりと目覚められるようになります。CPAPの適応との診断になりましたら、当院よりCPAPを手配いたします。

比較的に軽度な患者さまの場合、専用のマウスピースで対応することもあります。当院と提携している歯科医院を受診し、患者さまに合ったオーダーメイドのマウスピースを製作します。これを就寝時に装着することにより、呼吸が楽になります。